桃色ドクター【番外編】
仁は、どこから見てもイイ男で、ルックスだけじゃなく、条件も良い。
だから、モテるのは当たり前。
でも……
仁の魅力って本当はそういうところじゃないのかも知れない。
毎日同じ職場で働いていて、ただかっこいいだけで好きにはならないよ。
働いていると、自分勝手な面が見えたり、かっこ悪い一面が見えたりして、すぐに冷めてしまうもの。
仁の内面的な魅力を、私は見ようとしていなかった。
「あの子じゃないの?」
「ああ。違う」
ため息まじりに仁は答えた。
仁はあきれてる。
こんなところまで来てしまった私に。
バレてる。
この行動が『愛しているから』でないこと、仁は気付いてる。