桃色ドクター【番外編】
●由美子パパ目線●
自分にできること
-由美子パパ目線-
私にとっては、息子のようなかわいい存在だった。
瀬名仁ノ介。
医者である私が、初めて彼を見たのはもう10年以上前だ。
夢と熱意を持った彼を見て、昔の自分を思い出していた。
出会った頃の仁ノ介君は、今よりもずっとモテていた。
今はすっかり『爽やかドクター』の顔をしているが、当時は少し不良っぽい雰囲気があり、患者さんだけでなく、同僚や薬品会社の女性からもモテていた。
仁ノ介君を娘に紹介する気など全くなかった。
あの頃はね。
こんなにもモテる男性は危ない。
娘に苦労をかけるだけだ。