桃色ドクター【番外編】
ロッカーの中の白衣を羽織ると、俺は一瞬で医者モードになる。
胸にさしたボールペンは親父から受け継いだ高級なブランドのもの。
自分でコーヒーを入れ、一息つく。
「おはようございます!!」
受付の女性や、助手達が病院に来る時間だ。
「おはよう。今日もよろしく」
こうして、俺の一日が始まる。
たくさんの患者さんと向き合い、じっくりと診察し、笑顔をもらって疲れを癒す。
俺は、この仕事が自分に向いているとつくづく思う。
患者さんからの笑顔と『ありがとう』さえあれば、俺は睡眠時間がほとんどなくても頑張ることができるから。