桃色ドクター【番外編】
「院長、迎えに行きました。隣の部屋に寝かせました。おばあちゃんだと思ったら、綺麗な若い女性でしたよ。ふふふふ」
ニヤニヤする助手の尻を叩く。
どんな相手にも同じように接するようにといつも強く言っていた。
それは自分自身にも。
でも……
こんな綺麗な女性を目の前にすると、
自分の信念を忘れてしまいそうになる。
俺が今まで出会った女性とは違う空気を持った人。
自分の意見をはっきり言うのに、いやみがない。
外見はキャリアウーマン風な印象を受けたが、話し方は気さくで、懐かしい感じもする。
たくさんの患者さんと接してきたが、こんな風に興味を持ったのは初めてだと思う。
だめじゃないか……
自分のポリシーに反している。