桃色ドクター【番外編】
「明日も来てくださいね」
もう一度会いたい。
そう思わずにはいられない女性。
居心地の良い空間を、知らず知らずに作り出せる人だと思う。
本人は気付いていないのだろう。
俺が医者で、彼女は患者。
本来、俺が患者さんを癒さなくてはいけないのに、この数分間、俺がこの人に癒されていた。
どうしてだろう。
平野香織というこの女性と話していると、「作った顔」が崩されていく。
本来の俺、瀬名仁ノ介に戻る感覚。