桃色ドクター【番外編】
「何してるんですか?安静にって言ったでしょ?それに、そんな荷物まで持って!!」
俺に会いたいから、腰の痛みを悪化させたいのか?
そんな荷物、持ったら腰痛がひどくなるだろう。
平野さんは、怒っている俺の顔を見て、ぷぷぷって吹き出した。
「何笑ってるんですか?こら!」
俺は平野さんの荷物を持ち、駅まで送ることにした。
「まさか、買い物に行ったんじゃないだろうな?腰痛なのに、バーゲン行ったのか?」
デパートの紙袋。
絶対そうだ。
「えへへ。ちょっと腰の運動をしようかなって思って歩いていただけです」
おどけたような表情がまたかわいい。
君が心配だから怒っているだけだ。
買い物に行きたかっただけだろ。
それなら俺を誘ってくれれば、俺が荷物を持つのに。