桃色ドクター【番外編】
俺は2軒目の店に誘った。
薄暗い照明が好きでひとりでもよく来ているバー。
トイレへ行き、電話をかけた。
相手はもちろん……由美子。
「今日、会えなくなった。ごめん」
あっさりと俺の断りを受け入れた由美子。
俺達、終わりだよな、もう。
いつも由美子の予定を優先させて、由美子が空いている日はできるだけ俺は会うようにしていた。
だから、こんな風にドタキャンすることって珍しい。
もう少し寂しそうな返事をしてくれてもいいじゃないか。
まぁ、今は由美子がどんな態度を取っても、俺は悪い方向にしか取れないのかも知れない。