桃色ドクター【番外編】
「俺、寂しいだけだと思ってる?」
俺は平野さんの目をじっと見つめた。
俺自身にも問いたかった。
俺は寂しいから好きになったのか?
どうして、こんなに惹かれてしまうんだろう。
目をそらした平野さんの表情は、泣いてしまうんじゃないかと思うような悲しかった。
「マリッジブルーじゃないですか?よくあるじゃないですか」
わざと冷たく言うのは平野さんの癖だ。
「違う。君に初めて会った時に感じた。俺が探していた人だって。君みたいな人がそばにいてくれたら、心が穏やかでいられるんだろうな」