桃色ドクター【番外編】
ああ、好きだ。
そのまっすぐな目も、ほのかに赤くなった頬も、
緊張して震える声も、好きだよ。
「俺のこと、好き?」
俺の質問に、平野さんはゆっくりとうなづいた。
『好き』という言葉はもらえなかったが、平野さんの気持ちを知ることができて、俺はどうしようもなく安心していた。
体の力が抜ける感じ。
「おりこうさん。やっと素直になったね」
俺は手を伸ばし、平野さんの頭を撫でた。
何度かこんなことをしたことがあったが、撫でたときの平野さんの顔がたまらない。
少し上目遣いに俺を見つめる顔がかわいくて、俺はついつい撫でてしまう。