桃色ドクター【番外編】


今は、俺の胸に飛び込んできてはくれないだろう。




それが君だから。





冷たい口調で俺を突き放す。




それも君の愛情なんだろう?





「送ってください」





平野さんのその言葉に俺はうなづいて、車を走らせた。



信号で停まるたびに、俺は平野さんを見たが、彼女は俺を見ようとしなかった。





待っていて。

お願い。


俺は必ず、君を選ぶ。




そう伝えたいのに、伝えるのが怖い。








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