━好きになってはいけないヒト━
プロローグ
━先生、好きだよ━
ねぇ…先生。
先生への好きって気持ち、どうすればいい?
どうすれば――
伝えることが出来るのかな…
『――先生、あたし…、先生のことす―っ…』
『………!???モガッ』
『それ以上言うな。言わなくていい。わかってるだろ?俺達の関係は、あくまでも生徒と教師だ。だから、おまえの俺への気持ちなんて憧れにすぎないんだよ。これ以上は言わなくても、理解力のあるおまえならわかるよな?』
ねえ、先生、
――どうして。
どうして、いつもはぐらかすの?
あたしの気持ち気付いてるよね?
わかってるよ。
立場的にダメなことくらい。
だけど…
諦めきれないあたしはおかしい?
じゃああたしは絶対に、先生の1番にはなれないの――…?
***
水樹。
ごめんな……
――おまえの気持ちは
俺に十分伝わってるから。
だけどな…
そう言われたって、立場的にもムリだろう。
自分の立場を考えてみろよ。
“教師”と“生徒”
こういう関係なのはわかりきったことだろ?
――なのに。
なんでおまえは俺の心に入って来るんだ?
どうして俺みたいな最低な男に好きって言えるんだ?
やり場のないこの気持ちをどうすればいい?
なあ、教えてくれ―…
お願いだからそんな目で俺を見ないでくれ―……
━好きになってはいけないヒト━