━好きになってはいけないヒト━
「…っ。――な…なななんなのよいったいっ!?
ホントマジで最悪っ!
なんで!?なんでこんなこと―――」
「なんでって…
したかったから?」
「したかったから出来るの、大人は!????」
待って……
マジで最高なんだけど!
どういう神経してるのこの男!!!!
大人ってとっさのこと言っちゃったけどこの人、大人だよね?
確実に20は超えてるもんね。
それに超女慣れしてる気が―――…。
……てか今のでわかった。
確実に――慣れてる。
「あ~、」
「言い訳とかそういうの全く聞きたくないからっ。彼女に対して何も思わないわけ!?
まぁあなたは、こんなことして彼女に罪悪感がないわけじゃないでしょうけど。絶対に」
「どうして断言できる?」
「そういう男でしょ、きっとあなたは」
「フッ、どうだろうな。
あ…俺の彼女が来た」
「え…どこどこっ?
……ってあたし許したわけじゃないですから!!!!つ、次会った時は覚悟しといて下さいっ。
……それじゃあ」
バタバタ…っ
あたしがその場を去ったあと、彼がクスクスと笑っていことなんてあたしは知るよしもなかった。
………ふぅ。
すごい猛ダッシュで家に帰って来たけど、あたしの怒りは収まりきらず、部屋にある人形とかを投げまくった。
おかげで観たいテレビ番組も見れなくなるし、気分は超最悪。
こうなったのもなにもかも、あの男のせいだ――――っっ!!!!