━好きになってはいけないヒト━
「……莉……世莉…世莉っ!!!」
かなりぼーっとしていて、急に話し掛けられたため、美樹の声にびっくりして、あたしはおもいっきり振り向いてしまった。
「…やーっと気付いた。何回も呼んでるのに」
「――ん、ごめん。ところでなに?」
「え――、もしかして…世莉まだクラス分け見てないの?」
「あ~!今確認するっ」
「……まったく」
美樹に怒られながらも、あたしはしっかりと掲示板を確認した。
あたしは―――……
……3組か。
美樹達は――…
「え!?ぇええ!!」
「気付いた?」
「えっ、ホントに?なにか仕組まれてたりして…」
「もぉ、バカじゃないの?なわけないでしょっ」
「――……っ!ぅわーん美樹よかったよおぉ!!同じクラスーっ!!!!」
「梨夏も亜弥も壱樹もそして隼人も!みーんな同じクラス!
ほら世莉、もう一度確認してみたら?」
美樹にそう言われてもう一度確認したけど。
やっぱり美樹が言う通り、
「みんな同じクラスだぁ~~~っ!!!!」
「うるさいっ、ほらクラスもわかったことだし、教室行くよー!」
「うんっ♪」
なりたい人達みんなとなれたぁっ!
「ふふん♪」
「世莉、キモい」
そんなことを美樹に言われたけど気にもしないで、教室に着いた。
途中で美樹が大きなため息をついていたけど、気にしないフリを貫いた。