━好きになってはいけないヒト━

「あっ、世莉と美樹じゃーん」


「ホントだ。おはよー」


「ぅわ、誰かと思えば、梨夏と亜弥じゃん。おはよー」


「もぉ世莉ったら。うちらの声で誰かわかってよね」


「ごめんごめーん!!!」


「ところで亜弥ー、彼とは同じクラスになれたの？」


「ちょっと美樹、今それ聞くー？
ショックなことに隣のクラス!陽[ﾖｳ]くんと同じクラスじゃないなんて、絶対に耐えられないよ～(泣)」


「仕方ないじゃん、こればっかりは。
でも隣のクラスなんだし、それなら休み時間に会いに行けるんじゃないの？」


「それもそうだけど～」


ブツブツ、ブツブツと
亜弥は独り言を言っていたけど、すぐにパァァと吹っ切れたような顔になり。


「そうだよね!
隣のクラスだもん、会いにはいけるし、大丈夫だよね!!」


「うんうん」


「あー、よかった。どうなるかと思った～。もうずっとこのままかと…。私思ったの!亜弥を慰めるのはもう懲り懲りだって」


「梨夏～ぁ。それはひどいよ!」


「たしかにめんどくさそう……(笑)。
まぁそれは良いとしてっ、玄関で無駄話してるのもなんだし、教室行こ!」


「そうだねー」