━好きになってはいけないヒト━
「――…美樹ちょっと来て」
「なんで?」
教室の角へ美樹を連れていき
クラスの女子達から逃れることに成功した。
「で、話ってなに?」
「あのね、言っとくけどあたしは全然有名じゃないしっ!第一有名なのは亜弥や美樹、梨夏のほうでしょー?3人共可愛いし。だけどあたしは絶対に違う!」
「どうしてそうやって言うかなぁー…。そんなわけないでしょ…!?美樹達は確かに目立ってるけど!!!!1番有名なのは、世莉と壱樹、あんたたち二人なんだからね!!!!」
「嘘うそ絶対違うっ!」
「俺がなんだよ」
近くに壱樹がいたらしく、
同時に言葉を発してしまった。
「…わっ、壱樹じゃん。いたの?1番目立ってる人だって。あたしと壱樹が。壱樹ならまだわかるけど、あたしってのはなんかなー…」
「目立ってる人が俺と世莉?んなわけないだろ。世莉ならわかるけどな」
――もう美樹も壱樹も二人して!
あたしは絶対に目立ってないんだから……
「だから、そうなんだってば!!理由を教えてあげる。っていうか良い加減二人共自覚してよ――…」
「「なにを?」」