━好きになってはいけないヒト━


「美樹達のグループには、学年一の美少女と美少年がいてそれが世莉と壱樹ってことを自覚してほしいの」


「「なんで」」

「あたしは別に!!学年一の美少女じゃなーいっ」
「俺は別に!!学年一の美少年じゃねーっ」


壱樹とあたしはほぼ同じ言葉を大声で叫んでしまい。
周りにいるほとんどの人があたし達に注目をした。


「なんで二人してハモるかな」


「「だって!!!」」


「ほら…また…。美樹が特に自覚してほしいのは世莉。あんたは一応、2年連続この学校の学年でMs.1位になってるの。去年は学校全体のMs.1位もとってるの。わかる?」


「……うん」


「みんながどれだけ世莉を憧れの眼差しで見てるか、良い加減わかってよ……」


「……それは」


「壱樹も壱樹だよ。壱樹は去年初めて学年のMr.1位になったからといったって、その前の年だって一応3位には入ってたんだから」


「……わかってるさ、そんなこと……」


「あたしだって少しは自覚してるよ。だからさっきショックだったし……」


……ざわついてた教室が少し、シーンとなり。


周りのみんながあたし達の会話を聞いていた――



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