━好きになってはいけないヒト━
━1時間半後━


「…莉、世莉…世ー莉っ」


「…んっ、あと少し寝かせて」


「あのなぁ…」


………ハッ


「――誰っ!??」


「俺だ俺、壱樹。
起きろ世莉、寝過ぎだぞ」


「…ん…っ壱樹?今何時?」


「10時半くらいかなー。式長引いたんだ」


「そうなんだ」


「顔色良さそうだな。
あっ!そうだ。俺らの担任めっちゃかっこよかったぜ?」


「……そう」


「女子なんかすげぇの。みんな顔真っ赤にしちゃってさ……

まあ男子も男子で隣のクラスの新しい担任がめっちゃ美人だったもんでみんな顔真っ赤だったけど。いや~、あれには参ったた」


「くすっ、とかいって、壱樹も顔赤くしてたんでしょ?」


「ちげぇよ。
とりあえずほら教室戻ろうぜ」


「嫌っ!行きたくない!」


「どうしたんだよ?」


「行かないったら行かないよ!
戻るなら壱樹一人で戻れば良いでしょっ」


「…そうは言ってもな…。俺さ、担任に頼まれてるんだよな。連れてこいって」


「そんなの知らないよ~っ。壱樹一人で戻って良いよ?
あたし早退しよっかなー」


「……は?」


「具合悪いんで無理でしたって言っといてよ」


「…なんで」



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