━好きになってはいけないヒト━


―――しー…ん

ザワついてたその一言で急に教室が静かになった。

「――は?」


ちょ、怖いって。


「えと…すみません…」


ほら……質問した生徒がシュンっとなって先生に謝っちゃったし。


「いや……、いいよ。
大丈夫」


――どこが。
どこも平気そうには見えないよっ
一応口元は口を引きつらせながら笑ってるけど、目が笑ってないし。


……そんなことを思っていたら
先生とバチッと目が合って―――
もうこうなったら仕方ないと思って、あたしは今思ったことを先生に口パクで言ってあげたんだ。


“笑えてないし(苦笑)”

って。


先生は苦笑していることにも気がついたのか、
バツが悪そうな顔をしてあたしから顔をそらした。



< 45 / 68 >

この作品をシェア

pagetop