━好きになってはいけないヒト━
世莉が正直に言うとは全く思ってなかったけど、
あそこまではぐらかされると――なにも言えなくなるに決まってる。
でも…今日の始業式
確実に様子が変わった。
とくに、水沢先生がいると気付いた瞬間。
長い間世莉と過ごしてきた俺にとって、
あんな態度とるなんて
確実になにかあったとしか考えられない。
それに、あんなに体調が悪くなるなんて珍しいことだし、余計になにがあったか気になる。
「……一体なにがあった?」
少しくらい、誰かを頼れば良いものを――
昔からアイツは誰も頼ろうとしない。
別に俺じゃなくても良いんだ。
たまには誰かに相談したりすれば良いのに……。
「……さてと、これからどうするかな」
サボるにもバレるのは時間の問題だしな……。
今頃――
俺がいないのを気付いた頃かな。
それとも――
普通にそれをスルーして授業が始まってるかな。
「考えるのもめんどくさい」
一言呟き、床に寝転び、目を瞑り……一眠りすることにした。