"いじめごっこ"
……次の日……
制服で何とか腕に刺さった針を隠しながら、
秋奈は学校に行った。
「やだな……」
違う。
嫌だと言うより今の秋奈の心は恐怖に支配されていた。
――怖い怖い怖い怖い怖い…
――タスケテタスケテタスケテ…
そんな思いでなんとか足を一歩一歩踏み出す。
ついた時間はいつもより10分も遅かった…。
「あれ……な…ぃ」
下駄箱に入っているはずのスリッパが何故か無い……
秋奈仕方なく、何も履かずに教室へ向かう。
すれ違う生徒は皆秋奈を避けて歩いた。
それに四方八方から聞こえてくる暴言。
もうやだ……
シニタイ…
シニタイ……
死にたいよ………
どうしてあたしがこんな目に遭うの?
秋奈の足は教室から反対の方を向き、
ある所に向かって歩き始めた。