-君に愛してると言いたい-
厭な予感がした。
ピンポーン
「は~い」
出てきたのは、小太りの女。
「あの俺、隣の部屋の子の友達なんですけど…」
あぁ、と女は口を開いた。
「なんかよくわかんないけど、急だったわよねぇ。あたし達に挨拶もなく行っちゃってさ。あんた、なんか持ってきてくれたの?」
行った?
「あの、どういうことですか?」
「なんだ違うのか。お隣さん、1週間くらい前かしら、引っ越したのよ。東京の親戚の所に行くんですって」