-君に愛してると言いたい-
ユウタが私を見つめた時、
私は無音という音を聞く。

ある日、ユウタの部屋でそれに
耳を澄ましていたら、
いてもたってもいられなくなった。

私はこの人にキスをしなくてはならない、とさえ思えた。

私をどこへでも連れていって。

私の心に、体に。
あなたのその真っ白の歯で
噛み跡をつけて。
私はあなたの煙草になる。

私があなたに
幸せな眩暈を与えてあげる。


その瞬間、マチとユウタの唇は重なった。
< 36 / 244 >

この作品をシェア

pagetop