-君に愛してると言いたい-
帰りの雑木林の中。

私はユウタに無理矢理キスされた。

言葉の交わされない、キス。

ユウタはがむしゃらに私の唇を奪う

唇を分け入って入って来るユウタの舌は、知らない生き物のようだった。

支配したいの?
何を怒っているの?

違う。あれは、恐れていたんだ

何に?

私は、ここにいるのに。

ここにいるのに、
私は私でなくなったような
そんな気がした。

そして、ユウタがキスをした相手も
私である気がしなかった。
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