蜜愛
自分で自分の両手を見て。
不思議に感じる。
これからも彼に、こうして
『私だけ』が触れていられるのかしら?
でも、きっと彼はそんな私の不安を見抜いているから。
だから。
こんなただの唾液と
単調なリズムで繰り返される私の愛撫で
イクんだ。
――捕まえた。
もう、離さない。
彼が全て私の口の中に毒を注いで、
心地よい眠りにつくその瞬間を見届けるまで。
口の中の毒を大切に大切に。
舌で味わって、少しずつ飲み干した。