蜜愛

『なんで?なにかそのイチコって人にあるの?』

やっと冷静になった彼女に僕は、最高に優しい笑顔を向けて、

『ああ、僕の知ってるイチコさんだったら、話すよ』


――これでもう、キミに、会わなくってよくなったね。
ありがとう。

と、続きは心の中でだけ毒づいて。


短いキスをして、ドアを閉めた。


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