蜜愛
“愛してる”なんて、いつ以来だろうな。
もう長く聞いていないし、言ってもいないわ。
私は黙って旦那の奉仕をしてるだけ。
そうとわかっていても。
それすら消えてしまう私達の間柄を恐れて
断れない。
愛という、使い古された陳腐な言葉で癒されたい。
慰められたい。
嘘でも、いい。
……いや、嘘ではなくて。
私じゃなくちゃ、ダメになってほしいのに。
――旦那は今日も、遅くなると朝。
そう言って出かけたのだから。