蜜愛

あたしは、セイタが気づいてくれたかもしれない、きっとそうに違いないと思って、

彼の表情をうかがったけど。

彼が何を考えていたかはわからない。


だってすぐに、あたしをまた組みしいて
『変わらないな、おまえやっぱり、ベチャベチャだよ』

と、始まってしまったのだから。


――始まってしまった。


始めたのはあたし。

待っていたのも探していたのも。

あたしだったから。

抵抗なんて、



デキナイ。



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