蜜愛

二人とも、おトイレかな?


だけど、テントを離れてトイレまで探しに行くのもなんか、

こわくて、

わたしは、さっきまでみんなで囲んで楽しく笑いあった火のそばに座った。

もう、火は消されてる。


足元に落ちていた木の枝を拾って、

意味もなく砂に絵を書いたり、

寂しさを紛らわせる鼻歌を歌ったりしてるうちに

きっとパパとママは一緒に帰ってくるはず。


わたしは、砂に書いた絵が、

だんだんほじられて、穴に変わってくるのを見ていた。


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