蜜愛



眠い目をこすり、苦労してきた割には、釣りの獲物に大した収穫もなく。

だけど僕は、もちろん。

息子をなじるどころか感謝していた。


僕は動揺しながらも泣きじゃくるイチコに、

みんなみんなわかってる、

僕はずっとみていたから、

大丈夫

知ってるよ

会いたかったんだ

終わりじゃない

きみの好きな

ようにして

いいんだ

たまに

会う



それだけでも、また。


と彼女を包んだ。


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