蜜愛
『ね、あなた。起きて』

声をかけると同時に目を覚ましたシンに、違和感を感じた。

……いつもなら、しばらく寝ぼけてなかなか目を覚まさないのに。

今日は、すぐにカッとその目を見開きあたしをみた。

息子はすでに、早くから起きていたのか、

持参していた小型のテレビの、ボリュームをしぼり、

被っていたタオルケットの中で観ていた。

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