蜜愛

『珠子、ちょっと海を見てこよう』

『え?』

セイタも、僕は?という顔でシンをみたが、気づかないふりをしてあたしをテントから出した。



黙って前を歩くシンに、あたしはかける言葉がなかった。

シンが途中、チラリと隣のテントを見て、

すぐに目をそらしたのを、なんとなく嫌な予感がしながらついて行く。


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