蜜愛

きっとあの旦那さんは、一緒に死ぬつもりなんて

最初はなかった。


だけどきっと

あの海の中で

見たんだろう。


あの女の爪先の

さらに奥にある楽園。



『イッショニイコウ』


そう、甘く呟いたんだ。



人のモノでも手を出すような

寂しがりの女だもの。


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