蜜愛


蜜柑はオレの子じゃなかった、蜜柑はオレの子じゃなかった、蜜柑はオレの子じゃなかった……


――よかった。




なぜかオレはショックを受けるより先に、

イチコの自白にホッとした。



隠し子のために、短い間でも連れ添ってきた妻と子を捨てる。

それに対して、少しの罪悪感もなかったと言えば嘘になり、

彼女の告白でオレは自分に言い訳ができて、

『だったら』

と、次の言葉が続いた。


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