蜜愛
父さんが僕に、僕自身の出生の秘密を明かしてくれたのは最近だ。

その話の中で、父さん自身が母さんのことを好きだったかどうか、

それはわからなかった。

ただ、二人の間に僕ができた。
だけどその頃父さんは別の家庭があって母さんとは一緒になれなかった。

そう言ってた。


僕は父さんの突然の告白にどぎまぎしながら、最近買ったばかりのRPGに夢中なフリをして

父さんの話を背中で聞いた。


目を見て話すなんてできなかった。

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