蜜愛
僕がもっと、あの人のカタをもっていたら!

許してあげていたら!!


『絶対』あの人はこんなに思いつめなかった。

僕という生きがいを見つけてくれていたかもしれないのに!!!



『父』と呼ぶことすら許してあげなかった自分を

どれだけ責めても。

母さんはもう帰らないし、

今一緒に暮らす父さんがまた、母さんを愛することもない。


ーー父さんは、僕のカラダに流れる自分の遺伝子を、愛しているから。



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