蜜愛
完全に、脱力。

血の繋がらない兄に、血の繋がった母を、

母の実態を

聞かされる。


犯されながら。


『あれ?やめてって言わねーの?』

私は、兄さんの言葉で完全に今ここに存在する心が消えて

昔、愛されたがったあのパパを思い出していた。

パパ……パパ……

一緒に手を繋いだりお風呂に入ったりしたかったなパパ……

なんでパパの子のままでいられなかったの…?

パパのこと好きだったのに。

ママが幸せになれるならって。

私、犠牲になったのに……。


ママは、幸せになれなかったの?

それとも。

ならなかったの?

それとも。

今、別の場所でなっているの?


パパ……


海で、一緒にテントを組み立てた日が蘇ってきて…

パパになら、こんなことされてもよかったかな…



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