蜜愛
そう思ったら、僕はいつもより饒舌になった。

自分はここによく来ていること

父親と二人暮らしなこと

今日はケンカして家出をしてきたこと(別にケンカなんかしてないけど)


学校のこと
年齢
互いの名前のこと

とにかく。

無言にならないように僕はひたすら喋った。

彼女は僕の話に、上手に相槌をうち

異性といるんだという緊張も徐々にほぐれて

誰にも話したことがないような話までしてしまいそうになった時。


すでにあたりは暗くなりかけていて僕ははっとした。

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