蜜愛
彼は茶の間のソファに多分、ぎこちなく座ったはず。

私が手探りでヤカンを火にかけると慌てて立ち上がり、

『僕、やるよ…』

と、私を食卓テーブルの椅子に座らせた。


そのまま彼は、母さんが作った夕ご飯を温めなおし、二人でそれをわけて食べて……


さっきまで晴汰はよく喋ってたのに、テレビで深夜番組のエンディングテーマが流れる頃には、無口になっていた。

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