蜜愛
『おい、タマコ。今日ちょっと出られるか?』

彼の、ほぼ命令にも近い約束にあたしはいつも服従した。



ーー服従。



気持ちいいの。

彼に抵抗する姿なんてむしろ見られたくない。

彼が、

『少しくらい、嫌がってもいいんだぜ?』

ってニヤニヤしながら私を裸でベランダに立たせる時。

あたしの全身の毛をなでたこの風が

呼吸とともに彼の肺に永遠住みつけばいいのにって

バカみたいな事を考えては太ももにヌルい雫を感じた。


< 95 / 421 >

この作品をシェア

pagetop