COLORS【緑】c:lover
lover3 ドレッシングの味は?
「戸坂先生なんだって?」
「……あ、ああ……そのこと」
昼休み。梨子と一緒にお弁当を広げながら今朝のことを振り返る。
「さっきからなんか世海らしくないんだよね。今もぼーっとしちゃってさ」
「そんなこと……」
お弁当箱のフタを開けて中身を確認する。どうやら今回のメニューは定番の唐揚げと玉子焼、昨日の夕食の残りの野菜炒めとご飯が入っていた。
「ある!!昔から世海は悩んでいる時はいつも以上にぼーっとするんだから!」
梨子にはかなわないなぁ。
「実はね……相談役を頼まれたの」
「誰の?」
梨子は彼女の視線で察する。それは相変わらず女子に囲まれている彼に向けられていた。
「……なるほどね」
「断ったのよ!でも……」
「戸坂先生の頼みを断れる生徒はウチのクラスにはまずいないもんね」
「そういうこと」
「いいんじゃない、引き受けてみたら?」
「他人事だと思って!」
「『四つ葉のクローバー』……が引き合わせたのかもよ。あの日に出会ったのも蒼波君なんでしょ」
「そうだけど……それとこれとは話は別」
「もしかしたら、あんたの言ってた『素敵な出会い』ってやつかもよ!」
「なっ!……そっそんなわけないよ!!あるハズないじゃない……違うんだから!絶対……」
「世海にとって彼がどんな存在になるかは……私も興味あるしね~」
「梨子……」
「さぁ!食べよ食べよ!お腹空いちゃった~」
箸に手をかけ私は玉子焼をつまんで口に入れる。
──今日の味つけは……、薄味だ。
「……あ、ああ……そのこと」
昼休み。梨子と一緒にお弁当を広げながら今朝のことを振り返る。
「さっきからなんか世海らしくないんだよね。今もぼーっとしちゃってさ」
「そんなこと……」
お弁当箱のフタを開けて中身を確認する。どうやら今回のメニューは定番の唐揚げと玉子焼、昨日の夕食の残りの野菜炒めとご飯が入っていた。
「ある!!昔から世海は悩んでいる時はいつも以上にぼーっとするんだから!」
梨子にはかなわないなぁ。
「実はね……相談役を頼まれたの」
「誰の?」
梨子は彼女の視線で察する。それは相変わらず女子に囲まれている彼に向けられていた。
「……なるほどね」
「断ったのよ!でも……」
「戸坂先生の頼みを断れる生徒はウチのクラスにはまずいないもんね」
「そういうこと」
「いいんじゃない、引き受けてみたら?」
「他人事だと思って!」
「『四つ葉のクローバー』……が引き合わせたのかもよ。あの日に出会ったのも蒼波君なんでしょ」
「そうだけど……それとこれとは話は別」
「もしかしたら、あんたの言ってた『素敵な出会い』ってやつかもよ!」
「なっ!……そっそんなわけないよ!!あるハズないじゃない……違うんだから!絶対……」
「世海にとって彼がどんな存在になるかは……私も興味あるしね~」
「梨子……」
「さぁ!食べよ食べよ!お腹空いちゃった~」
箸に手をかけ私は玉子焼をつまんで口に入れる。
──今日の味つけは……、薄味だ。