COLORS【緑】c:lover
声をかけてきたのは青果店の実(みのる)おじさんだった。
おじさんとウチのお父さんは兄弟だったりするのだ。因みにお父さんが弟。

おじさんは商店街の草野球チームのリーダーをやってて、私もたまに借り出されるんだよね。人数足りない時に──。

「いや~タイミングいいとこで会ったよ!実は世海ちゃんに頼みがあってさ」

「まさか……またアレ?」

「そうそう!人数足りなくてさぁ~今度の日曜日だから!よろしく!」

「日曜日かぁ~おじさん、ごめん!その日、部活の大事な試合があって協力できないや」

「えぇ~困ったなぁ……どうしてもあと一人なんだよね」

「ウチのお父さんは?」

「もうメンバーに入ってる」

「そっか……」

「誰か居ないかなぁ~世海ちゃんくらいのレベルでいいからさぁ」

どういう意味かな?

「……あ、」

あいつ……蒼波なら。
肩壊してるって言っても軽くウォーミングアップ程度なら大丈夫だよね……多分。

「誰か居るのかい?」

「おじさん!私に任せておいて!すごい助っ人連れて行くから!」
< 15 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop