COLORS【緑】c:lover
さて、訪れた日曜日。
晴天、文句なし!
絶好の『野球日和』!!



「世海~!お友達来たわよ」

「は~い」
友達?
そう呼ぶにはかなり語弊があるのだが。

「よっ!迎えに来てやったぞ」

「ウチ教えるんじゃなかったな」

「何か言ったか?」

「別に」

友達……じゃないんだから。

蒼波は……。

私にとって何なんだろう?



野球の試合は河原にあるグランドで行われる。
私はバトミントン部の試合があるためグランドまでしか案内できない。

「おじさ~ん!」
ちょうどみんなが揃い始めたところみたいだ。

お父さんはさっき起きたばっかだったからな~もう少しかかるだろうな。

「世海ちゃん、すまないねぇ」

「いえいえ、約束通り連れてきてあげたわよ、強力な助っ人!」

「ども、はじめまして。城積蒼波です」

「しろつめ……あおば?どこかで聞いたことある名前だな」

「さすが、おじさん!蒼波は甲子園のエースだったんだよ!」

「そうだ、そうだ!甲子園のエース……って、えぇ~っ!」

「リアクションおそっ。まぁ、とにかく!今は肩壊して野球からは離れているけど、私よりは頼りになると思うから!よろしくね!!」

「肩……そうか。じゃあ、今日は外野の方がいいな。どうせ、外野まではほとんど球がいかないだろうし。ライトでいいかな」

「分かりました」

「そろそろ私も行かないと……それじゃ、蒼波!おじさん!」

「世海ちゃん、ありがとう」

「試合、頑張れよ」

「……うん」

試合……か。
気分が乗らないのは――どうしてだろう。
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