COLORS【緑】c:lover
「ああ……見つからなかったらどうしよ」

確か四つ葉のクローバーってなくしたら──『不幸が訪れる』って聞いたことあるケド。

本当なのかなぁ……。

そんなことを思いながら来た道をひたすら走って戻る。

白い紙に挟んだからすぐに分かるハズなんだけどなぁ~。

地面はもちろん河原の草の上まで目を配らせるが……、


それらしき物体は見当たらない。


「風で飛んでいっちゃったのかなぁ」
空をふと見上げると夕焼けで雲が朱く染まっていた。

結局──あの場所まで戻ってきてしまった。

「やっぱり無い……か」

落胆のため息を一つ。
その視線の先に人影が見えた。

──誰か居る?

草の上で横になっている。
あの人ならなんか知ってるかも……。


「すみません――」

「……」

応答なしか。
もしかして……眠ってる?

男の子だ、歳は同じくらいかな?


――ドキン。


……こいつちょっとだけ……かっこいいかも……?

って!あくまで見た目だけよ!見た目だけ!!
落ち着くのよ、世海!!

高鳴る胸の鼓動。
このドキドキを抑えるので精一杯になっていた。
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