COLORS【緑】c:lover
「……っ?」

気が付いた!

「あの~」

「なっ!何だ!お前!!」

そんな驚かなくても……。
別に誰も取って喰ったりしないって。

「ちょっとお尋ねしたいんですけど……この辺りに落ちてませんでした?」

「何が?お金か?」

「違います!!よっ……」

「あ~!分かった!さっきそこで拾った……」

「そうそうそれです!」

「0点の答案用紙!」

「れっ……ちがっ」

「しっかり勉強しなきゃダメだぞ!はい」

だから~!違うんだってば~!しかも誰よ!こんなとこに答案用紙落とした奴は!!

名前書いてないし……。
だから0点なんじゃないのか……?

「って!!私が探しているのは答案用紙じゃなくて!!クローバーです!四つ葉のクローバー!」

「四つ葉のクローバー?」

「さっきこの河原で見つけたんですよ!でも押し花にしようと思って、白い紙に挟んだままどこかに落としちゃったみたいで……知りませんか?」

「何だ~それなら早く言えよ!」
だからさっきから言ってるのに……。

「どこですか?私の四つ葉のクローバー!」

「あっち」

あっち……って!川?
その少年は手で下に流れている川を指で示した。

「ええ~っ!!もしかして……」

「俺が拾おうしたら風が吹いてきて流されたよ」
……ってかやけにあっさりして過ぎやしないか?
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