COLORS【緑】c:lover
lover2 幸福と不幸
 『四つ葉のクローバー』
それは幸福をもたらすと言う。

しかし、

無くした時は……不幸が訪れる……らしい。



「おはよ!世海!昨日のあれ見つかった?」

「見つかるどころか最悪!あいつのおかげでね!!」

「あいつ?」

「私のことロマンチストだの、似合わないからやめた方がいいだの勝手なこと言って、馬鹿にされたの!今思い出しただけでも本当ムカついてくるわ!」

「うちの学校の子?」

「分かんない……私服着てたし、でも学校では見た事ないかも」

「どうせ、世海のことだからこのまま黙っているってことは無いんでしょ」

「当然!!!しろつめあおば……絶対見つけて出して土下座させてやる!!」

「やっぱり……」





「……嘘でしょ」

春休みが明け高校三年生に進級し、四月に学校が始まってから一週間。
こんな時期にまさか、まさか!!

「今日から三年A組でお世話になります。『城積蒼波』です。よろしくお願いします」

昨日、私を散々コケにしたあいつが目の前に居る。
これを最悪と捉えるべきか、チャンスと捉えるべきか……。
う──ん。

「席はそうだな……」

ああ……神様、私の隣だけはヤツが来ませんように。

「立花の隣が空いてるな、とりあえずそこで頼む」

「はい」

――神様ぁ~。しかも『とりあえず』って何ですか、先生。

「へぇ~これはこれは昨日のロマンチストさんではありませんか」

「……気のせいじゃない」


この蒼波との再会が、私の『不幸』の幕開けとなるのであった――。
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