カナリア


『加奈子ってわかりやすいよね〜。』


健太郎と出逢って1ヶ月経つ頃の土曜日の夜に、たまきが泊まりに来ていた。


『何が?』

風呂上がりの加奈子がペディキュアを塗りながら答えた。

『何がって!自分で気がつかない?!』


たまきが憤慨した様子で返した。


『ん〜。美意識が高まった!それに、メールも楽しいの。久々の感覚っていうか…何か変な感じだけど。』

足元から目線をたまきに向けた加奈子の笑顔はとても綺麗だった。
素っぴんでも変わらない、眉と目元は化粧した時より少し幼さを感じさせていた。


『何か加奈子ばっか進展があって、うらやましいよ〜!』

たまきは1人様のソファーに体育座りをして言った。




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