カナリア
『別に今直ぐ答えを出す事はないんだし、今まで通りご飯行ったりすりゃいいじゃねぇか?』
健太郎は二本目の缶ビールに手を伸ばし、プルトップを開けた。
『そうだよな。じゃぁ、さっそく誘ってみるわ!』
坂本は笑顔を取り戻して二本目の缶ビールを飲んだ。
『そういえば、横溝。お前総務課の橋田さんと付き合ってなかったか?』
坂本はフと気づいた様に言った。
『あ〜。付き合ってる。』
『は?じゃぁ、加奈子さんは?』
『う〜ん。友達以上、恋人未満だな。』
『橋田さんは知ってんの?』
『いや。気づいてない。』
『加奈子さんに気のある振りして大丈夫かよ…』
『橋田とは別れる。もう1ヶ月前から別れ話はしてるんだけど、納得いかないって言われ続けてる。』
『橋田さん、見た目でもわかる位プライド高そうだから加奈子さんの事バレたら厄介だぞ。』
『俺もそう思う。だから、別れたい。』
『ちゃんとしないと加奈子さんに迷惑掛ける事になるからお前がシッカリしろよ。』
坂本はそう言うと『じゃ、寝るわ。』と行って自室へ戻って行った。