カナリア
交わり
1
健太郎が加奈子が住むマンションに着いたのは24時を過ぎていた頃だった。
インターホンを押して数秒後、ドアが開いた。
『え…?たまきちゃん?』
出てきたのは、加奈子ではなく、たまきだった。
『ちゃんと別れましたか?』
たまきが小声で言った。
健太郎が上下に首を振ると、たまきは健太郎に中へ入る様に言った。
健太郎は少し緊張しつつ、靴を脱ぎ、スリッパに足を通すとリビングへ向かった。