カナリア
『俺さ、たまきちゃんの事真剣に考えてるんだ。』
坂本は生ビールのジョッキを置き、タバコに火をつけた。
『ほう…何で急に?』
『う〜ん。たまきちゃんが真剣だったからかな。もう、誤魔化せないって思ってな。』
煙を吐き出すと坂本はビールを飲み干した。
『女に積極性を取られちゃダメだろってな。』
『まあ、確かに。』
『俺も男だ!今夜、会って話をする!』
『え?!今夜?!』
健太郎が驚いて、坂本の顔を見た。
『おう!!』
『急だよな〜。』
『あ!店員さん!生二つ追加ね!』
坂本は店員に言うと健太郎を見据えた。
『ま、うまくいったらダブルデートでもしよおや!』
笑いながら坂本は追加の生ビールを受け取った。