カナリア

落とし物

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2007年 春

加奈子は26歳を迎えた。
自室のマンションで大学の友人に祝ってもらい、気恥ずかしさに紛れてワインを2本も空けてしまっていた。

友人も帰り、1人ただっ広いリビングで足を無げだしL字のソファーに寝そべった。


気分は悪くない。
馴染みの友人にも久々に会えた喜びと共に、26歳の誕生日を迎えた事で浮き足立っていた。

明日は日曜日なので歯科医は休診であったが、急患も受け付けているので、たまに当番制で呼び出しもある。
加奈子は明日の当番の事を思いだし、寝室へ向かって素早く部屋着に袖を通して床に着いた。